ご依頼の経緯
地方都市にある小児内科クリニックでは、予防接種や急な発熱外来が集中する午前中の受付が常に混雑し、受付スタッフと看護師の業務負担が慢性的に高い状況が続いていました。紙の予診票管理や電話での予約受付が非効率で、スタッフのストレスも増加。結果として、パート職員の離職や勤務時間の短縮希望が相次ぎ、院長は「このままではスタッフが続かない」と危機感を抱いていました。
そんな折、顧問社労士が定期訪問の際にヒアリングを行い、「業務改善助成金」という制度を紹介。業務負担の軽減と賃金引上げを両立させながら、補助金で設備投資ができる制度内容に魅力を感じた院長が、正式に申請支援を依頼しました。
担当社労士のコメント
「小規模クリニックでは、業務の属人化と業務過多が職場環境の悪化に直結します。今回はICTの導入による業務の可視化と分散化がポイントでした。」
社労士は、まず受付と看護業務の現状分析を行い、Web予約・問診システムやタブレットを活用した情報共有による業務分担の改善策を提案しました。助成金申請のためには、賃金引上げ計画の設計(地域最賃+45円)や、雇用管理制度等整備計画の作成、見積書の収集・書類一式の提出などをサポート。交付決定後は、設備導入のスケジュール管理や操作マニュアル作成、スタッフ研修の助言も行い、制度運用の定着を支援しました。
結果
- 業務効率化:Web予約と電子問診票により、1人当たりの受付対応時間が約2分短縮。待合室の混雑も緩和された。
- 業務の標準化:タブレット端末を導入し、スタッフ間の情報共有がスムーズに。属人化していた作業を分担できる体制に。
- 従業員定着:業務の偏りが解消され、離職率がゼロに。1名のパート職員が常勤への転換を希望するなど、職場への定着意識が高まった。
- 経費負担の軽減:導入費用の約75%にあたる90万円を助成金で受給し、経営負担を抑えて機器更新が実現。
- 患者満足度:スマホからの予約や問診入力が可能になり、保護者から「便利で通いやすい」と好評。
お客様のメッセージ
「この制度を知ったとき、まさに当院のためにある助成金だと思いました。申請から導入まで社労士の先生が丁寧に伴走してくださったおかげで、スムーズに活用できました。スタッフが前向きに仕事に取り組めるようになり、患者さんからも“雰囲気がよくなった”と言われるように。経営者として安心して働ける環境づくりができたと思います。」
(モデルケース)