ご依頼の経緯
K社長は、長年勤務している板前のFさんに関して頭を悩ませておられました。Fさんは無断欠勤や遅刻を繰り返し、勤務態度にも問題がありました。さらに、接客中に顧客とのトラブルも発生し、「いよいよ解雇を考えなければならない」との思いが募っていました。
しかし、問題となったFさんに関して、就業規則には具体的な懲戒規定が明記されておらず、しかも規則自体が15年以上前の開業当初から更新されていない状態でした。こうした背景から、「どう対応すれば法的に問題ないのか分からない」と悩んだK社長は、知人を通じて当事務所にご相談くださいました。
担当社労士のコメント
まずは、事実確認のためK社長へのヒアリングを実施。その後、Fさん本人とも面談を行い、無断欠勤やトラブルの経緯、本人の意識などを確認しました。Fさんには、「処分ありき」ではなく、今後の改善に期待しているというメッセージを伝えた上で、具体的な是正を求めました。
改善内容については、期限を定めて再発防止を約束し、K社長にも記録を残していただく形で運用することを提案しました。Fさん自身も「仕事を失いたくない」という気持ちが強く、誠意をもって改善を約束してくれたため、解雇には至らず、問題は穏便に解決しました。
また、今後同様のトラブルが起きた際に備え、就業規則の懲戒規定を改訂。無断欠勤や勤務態度不良、顧客対応での問題など、現場で起こり得る具体例を明記した内容としました。新しい規則は全社員に説明し、社内全体のルール意識を高めることにもつながりました。
結果
無断欠勤や顧客トラブルを繰り返す従業員に対し、事実確認と面談を通じて改善を促進。懲戒処分に至る前に是正指導と記録管理で対応し、退職を避けることができました。さらに就業規則を改訂し懲戒規定を明文化。従業員全体へのルール周知も行い、今後のトラブル予防と職場の秩序維持に繋がる結果となりました。
お客様のメッセージ
今回は何とか穏便に解決できてホッとしています。職人さんは腕があっても性格が難しいことが多く、労使トラブルは避けられません。Fさんが改善してくれたことは大きな成果ですし、就業規則の見直しもできたので、今後に向けて備えができました。従業員全員にルールを周知できたことも非常に良かったと思います。