ご依頼の経緯
A社(繊維商社・従業員25名)は、繊維製品の卸売や輸出入を手がける企業で、中途採用による人材確保にも積極的に取り組んでいた。しかし、賃金決定に関しては長年「社長の一声」で決まるような属人的な運用がされており、社内に明確な評価制度や基準が存在していなかった。
このような背景から、従業員からは「昇給の根拠が分からない」「努力が報われない」といった声が多く聞かれ、特に中途入社の社員にとっては不信感や不安感につながっていた。こうした状況を改善すべく、S社長より「評価制度・賃金制度を整え、従業員の定着とスキル向上を実現したい」とのご相談を受けた。
担当社労士のコメント
まず、現状の給与体系や従業員の業務内容を丁寧にヒアリングし、課題を可視化。その上で、職務評価と職能評価の両面を取り入れた「役割等級制度」の導入を提案しました。この制度により、業務の責任や成果、スキルレベルに応じて適切に処遇できる評価基準を構築。加えて、評価と連動した昇給ルールやキャリアパスを明確化することで、従業員が自身の成長と将来像を描ける仕組みを整えました。また、導入にあたっては人材確保等支援助成金の活用を提案し、制度構築にかかる費用の一部を助成金でカバーする支援も行いました。
結果
新たな評価・賃金制度の導入により、従業員の仕事に対する意識が変化。「何をすれば評価されるのか」「どうすれば昇給できるのか」が明確になり、目標に向かって前向きに取り組む姿勢が社内全体に浸透しました。また、賃金決定の基準が明確化されたことで不公平感が解消され、離職率の低下にもつながりました。導入から約1年が経過し、社内の信頼関係と定着率が大きく改善しています。
お客様のメッセージ
「制度を整えたいと思いながらも、どこから手を付けていいのか分からず悩んでいましたが、社労士の先生の丁寧な支援で、評価制度と賃金制度がしっかりと形になりました。従業員のやる気も向上し、会社全体が前向きに変わったことを実感しています。助成金の活用も提案してもらい、本当に感謝しています。」
(モデルケース)