ご依頼の経緯
Y社長は、直近で発生した従業員とのトラブルをきっかけに、就業規則の見直しを決意されました。
ある従業員の問題行動に対し、会社側は就業規則に基づいて懲戒処分を実施。しかし、懲戒規程が抽象的だったため、具体的な処分の基準が明確でないとして、従業員が異議を申し立て、最終的に労使紛争に発展しました。結果として、会社側が一定の金銭を支払うことで解決し、従業員は自主退職。しかし、このような事態を二度と繰り返さないために、明確な懲戒基準を設けた就業規則を作成することが求められました。
担当社労士のコメント
今回の就業規則改定では、特に以下のポイントを重視しました。
- 懲戒処分の具体的事例の明記
企業が希望していたのは「懲戒処分の厳格化」でしたが、労働法の観点からは、いきなり重い処分を下すのは難しい場合があります。そのため、譴責(けんせき:注意・指導)から始まり、減給、出勤停止、最終的な解雇に至るまでのプロセスを明確にし、どのような行為がどの処分に該当するかを詳細に記載しました。 - 懲戒処分に至る前の改善努力の義務付け
企業側には「問題行動が発生した際、適切な指導や改善の機会を与え、それを記録することが必要」であることを説明しました。これにより、企業が十分な対応を行ったうえで懲戒処分に至ったことを証明できるため、トラブル回避につながります。 - 懲戒規程以外の見直し
懲戒規程だけでなく、業界の慣例に即した休職制度の明確化も行いました。従業員の長期欠勤が発生した場合の対応について、曖昧な点が多く、今後のトラブルを防ぐため、具体的なルールを定めました。
具体的な対応
- 企業とのヒアリング(2回実施)
まず、企業と詳細な打ち合わせを行い、業界の特性や従業員の働き方、過去のトラブル事例について確認しました。特に、トラブルになりやすいポイントを整理し、就業規則に適切に反映させることを目指しました。 - 就業規則の改定(1か月間で完成)
既存の就業規則を活用しながら、懲戒規程の強化や休職制度の見直しを行いました。新規に作成するよりもコストを抑えつつ、より実務に即した規則を整備しました。 - 従業員への周知
企業側の方針として、特別な説明会は実施せず、メールで通知し、従業員がイントラネット上でいつでも確認できるようにしました。
結果
- 企業側は、新しい就業規則に満足し、コスト面でも予想以上に安く済んだことを評価されました。
- 懲戒事案が発生した場合に、適切に対応できる体制が整いました。
- イントラネットに掲載することで、従業員が常に最新の就業規則を確認できる環境が構築されました。
お客様のメッセージ
「予想以上にコストを抑えることができ、大変助かりました。他の社労士に見積もりを依頼したときは、とても高額で驚きましたが、御社にお願いして正解でした。」
このように、労使トラブルを防ぐための就業規則の見直しは、企業のリスク管理にとって非常に重要です。東京都文京区で就業規則の改定をお考えの企業様は、ぜひご相談ください。